Bowers & WilkinsのFST™ ミッドレンジ・ドライブユニットはコーンのレスポンス時間と音伝達の完全性を向上させることでKevlar®の効果を最大限に引き出します。周辺の素材がコーンを整列させ、屈曲波を吸収します。ミッドレンジ・ダイヤフラムは少ししか動かないため、Bowers & Wilkinsでは「囲みのない」サスペンションを用いてコーンの外周端を改良しました。コーンの外周端と同じ抵抗機械インピーダンスを持つ発泡材リングをコーン終端に取り付けています。コーンまで達する屈曲波はこの発泡リングにほぼ完全に吸収されます。また、発泡リングは十分に収縮して中音域でのコーンの動きを支えます。

FST™ ドライバーのシャシはドライバーの後部から出る気流に対するインピーダンスを最小限に抑えられるよう設計されています。コーンの真後ろの反射波をさらに軽減するため、小型の装置からでも同じ磁力が出せるネオジウム・マグネットを採用しました。
FSTドライバーには、ケブラー®コーンの凝った使い方がされています。この先を読み進める前に、ケブラー®コーンの項をお読みください。レーザー干渉法は、様々なダイヤフラムがどのように動作するかの詳細な情報とそのデザインを向上させる上でのより明確な示唆を与えてくれます。コーン・ダイヤフラムにおいては、外周部が大きな問題の原因となることがあります。その第一の目的は気密を維持し、コーンが前後に動く間もボイスコイルを狭い磁気ギャップの間に位置づけておく手助けをすることです。
それは、コーンに求められる最大の動きに対処できるだけの柔軟性がなければなりません。しかし、まさにその柔軟性のせいで、外周部がコーンの動きに必ずしも首尾一貫してついて来ないということが起こります。
問題が起こり始めるのは「外周部の周波数落下」と呼ばれる現象時で、外周部がコーンと逆向きに動き出して部分的にその出力を相殺してしまいます。この効果をある程度まで補正するさまざまなデザイン上の工夫がありますが、全く避けることができるならそれに越したことはありません。過去には、外周部を一切排除してしまうフリーエッジ方式のドライバー・デザインも現れ、1950年代から1960年代にある程度の人気を得ました。しかし、このアプローチには2、3の欠点がありました。まず、キャビネットに気密性がなく、ドライバーは事実上デザインの悪いポートに反射してしまいます。次に、処理されていないコーンのエッジによって、より大きなコーンのブレークアップが生じることです。

そこでBowers & Wilkinsのエンジニアは、要求されるコーンの動きが小さい中間周波数に限定してしまえば、異なるタイプのサスペンションをデザインすることができるという発想を基に、水平思考を行いました。FST(フィクスト・サスペンション・トランスデューサー)技術は、通常の円筒状の外周部の代わりに、発泡ポリマー材の細いリングでコーン外側のエッジを支えています。コーンの小さな動きがリングを軽く伸縮させます。リングの表面積が小さいため、比較的わずかな音しか放射せず、またコーンにしっかりと連結されているため、その小さな動きは常にコーンのエッジと連動します。さらに先の段階を行くことができます。
コーンのエッジと機械特性がマッチしたリングを選ぶことで、コーンの上方に伝達されるベンディング・ウェーブ・エネルギー(ケブラー®コーンの項を参照)のほとんどが外周部に吸収されます。これらの特性が抵抗性があったり不可逆な場合、そのエネルギーは無害な熱へと転換されます。その結果、普通の外周部を持つ同様のドライバーに比べて、反射されてコーンに戻ってくるエネルギーが遥かに少なくなります。
通常の処理が施されたケブラー®ドライバーと比べて、FSTの外周部には注目すべきことが2点あります。まず、コーン全体が一定時間内でより早くレスポンスし始めることです。時間の領域では、これは優れた瞬間レスポンスに等しいものです。周波数の領域では、より拡張された高周波数レスポンスを示します。実際にこのドライバーのレスポンスは高周波数でさらにスムーズとなり、トゥイーターにより良く統合されたクロスオーバーを可能としています。次に、コーンの動きの最終パターンは通常のドライバーよりもさらにランダムで、その結果リスナーにより明瞭な音をお届けできます。ケブラー®関連以外のこのドライバーの特長には、高調波歪みを減少させるマグネット・センターポール上の銅シース、およびシャシーからの反射を最小限に抑えドライバーとエンクロージャーのカップリングを最適化する骨格シャシー(バスケット)デザインがあります。
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